Journal

ダウンロードフォルダを汚さないWindowsの運用法

ダウンロードフォルダに「setup.exe」「installer.msi」「crdownload」がずらっと並んでいる光景を、Windowsユーザーなら一度は見かけたことがあると思います。ブラウザで保存したPDF、Slackから落ちてきたZIP、配布資料の圧縮ファイル。気がつくと、フォルダは自分の意思と関係なく肥大化し続けます。

今回は、このフォルダを「保管庫」にしないための運用をまとめてみます。設定を変更するだけでなく、ファイルがどこから来て、どこへ行くのかを整理し直すのが狙いです。

保存先を変えるだけでは不十分な理由

最初にやりたくなるのは、ブラウザの保存先を「ダウンロード」以外にすることでしょう。Chromeなら設定 → ダウンロード、エクスプローラのDownloads、OneDrive、任意のフォルダが指定できます。これ自体は有効です。

ただ、保存先を変えても本質的な問題は残りません。ファイルは結局どこかに落ちてきますし、振り分けは自分ですることになります。「ダウンロードしない」という運用は、忙しさのなかでは続きません。

考えるべきは「落とす場所」ではなく「落とす流れ」自体を変えることです。

パッケージマネージャを一つ覚える

Windowsでアプリケーションをインストールするとき、たいていの人は公式サイトからインストーラを落として実行します。これがダウンロードフォルダを汚す一番の入口です。

Microsoft Storeを使わないとしたら、次に検討すべきはWindows Package Manager、通称wingetです。PowerShellかターミナルで次のようなコマンドを打てば、インストーラはPCに保存されず、アプリケーションだけがインストールされます。

winget install --id Google.Chrome
winget install --id 7zip.7zip
winget install --id Notepad++.Notepad++

アンインストールも winget uninstall で対応できます。インストール済みのアプリを一覧で確認したいときは winget list です。

wingetの弱点は、インストール時にUACダイアログが出ることぐらいです。逆に言えば、それだけで済みます。自分が何を選んだか、後から一覧で追える安心感もそれなりにあります。

ダウンロードには「作業場」を用意する

ブラウザやSlackが落とす一時ファイルは、どうしても必要です。完全に排除するのは現実的ではありません。

そこで「ダウンロード」フォルダを「一次受け」ではなく「作業場」として再定義します。たとえば、ダウンロードしてきたファイルは週末に確認して、必要なものだけをPicturesやDocuments、Projectsなどへ移します。残りは削除します。

この運用を補助するために、PowerShellで次のようなスクリプトを月一で実行してもよいでしょう。下記の例は30日以上更新のないファイルを抽出して削除する、という発想だけの最小構成です(未検証・実行する場合はご自身の環境で十分テストしてください)。

Get-ChildItem "$env:USERPROFILEDownloads" -File |
  Where-Object { $_.LastWriteTime -lt (Get-Date).AddDays(-30) } |
  ForEach-Object { Remove-Item $_.FullName -WhatIf }

-WhatIf を外すと本当に削除するので、最初は -WhatIf 付きで確認してください。古いインストーラや重複したスクリーンショットは、ほとんどが30日以上たてば不要です。

シンボリックリンクで「使い慣れた場所」を維持する

アプリケーションの中には、設定ファイルやキャッシュを「マイドキュメント」直下に保存するものがあります。場所を変えたくても、ドキュメントフォルダ自体は動かしにくいという問題があります。

こういうときはシンボリックリンクが便利です。PowerShellを管理者で起動して、次のように実行します。

New-Item -ItemType SymbolicLink -Path "C:UsershogeDocumentsMyApp" -Target "D:dataMyApp"

実体はDドライブに置いたまま、エクスプローラからは「ドキュメント」配下に見えます。バックアップ対象を明示したいとき、保存先だけ物理的に分けたいときに重宝します。

ダウンロードフォルダを「保管庫」にしない

ここまでの話をまとめると、ダウンロードフォルダを綺麗に保つには、いくつかの層があります。インストーラを直接落とさない仕組み、受け取ったら捨てる習慣、保管の階層を分離する仕組み。この三つを全部やる必要はありません。

wingetだけ導入しても、フォルダの汚れ方は大きく変わります。週末のスクリプトを一つ仕込むだけでも、月末の状態はずいぶん違います。やれるところだけ一つ試してみてください。

PCは自分が買ったものです。インストール先も保存先も、自分の判断で動かせます。ダウンロードフォルダを綺麗に保つこと自体は小さな話ですが、その裏にある「自分のファイルを自分のルールで配置する」感覚は、やってみると案外心地よいものです。

Previous